軽やかに生きる「風の時代」の価値観
並木良和さんによると、これからの時代は「頑張る」とか「一生懸命にやる」という考え方から、どんどん離れていく時代だと言われています。
「風の時代」と呼ばれる今は、軽やかで、スムーズで、シンプルな在り方が大切なベースになります。
そして、その価値観を反映した生き方へと、自分をシフトさせていくことが必要です。
たとえば、誰かが何かを達成したとき、「よく頑張ったね」と言う代わりに、「よくやってるね」と言うのもいいでしょう。
「頑張る」という言葉には、どこか無理をして力を入れているようなエネルギーが含まれています。
一方、「よくやってるね」と言われると、自然な努力や積み重ねを評価している感じがして、より心地よいものです。
そもそも、「頑張る」というのはエネルギー的には“強いる”ということに近いものがあります。
本当はやりたくないのに、やらなければならないからやっている。
そのようなときに「頑張っている」と言うのです。
だからこそ、自分が今していることが本当に魂が喜ぶことなのかどうか、改めて見直してみることが大事だと並木さんは語ります。
魂が喜ぶ行動は「頑張り」ではない
人間として生きていれば、やるべきことはたくさんあります。
「今これをやらなくちゃ」と思うことも当然あるでしょう。
でも、もしあなたが魂の本来の道を歩んでいるのなら、それらの行動は“頑張り”ではなく、“やりたくてやっていること”であるはずです。
周囲から見れば「努力してるね」「頑張ってるね」と見えるかもしれませんが、本人にとっては「やらされている」感覚ではありません。
心からやりたいからやっている、行きたい方向だから進んでいる、そんな自然な感覚があるのです。
だからこそ、今の自分が「頑張っている」「無理をしている」「我慢している」と感じているのなら、その行動が本当に自分のためのものかどうかを、今一度問い直してみる価値があります。
あなたの人生は、あなたのものです。
誰かに強いられて生きる必要なんて、本来どこにもないはずなのです。
「頑張る」という言葉の裏にある“我を張る”というエネルギー。
その“我”が、本当の幸せから遠ざけてしまうこともあります。
本当は魂が「そっちじゃないよ」と教えてくれているのに、「これでいいの!」と我を張る。
それが「頑張る」という姿の本質なのかもしれません。
言葉の力が人生を変える──「ガン」を「ポン」に
ここで一つ、象徴的な例として並木さんが語るのが「ガン」という言葉です。
この言葉を聞いただけで、多くの人は「死」を連想します。
たしかに、医学は進歩し、治る病気になりつつあるとはいえ、今なおその言葉には強い恐れがついて回ります。
でも、その「ガン」という言葉自体が持つエネルギーを変えてしまったらどうでしょう。
たとえば、ガンを「ポン」に置き換えてみる。
「あなたはポンを患っています」と言われたら、少し可笑しくて軽やかな気分になりませんか?
言葉の持つ波動、イメージというのは、それほどに強い影響力があります。
「ガン=死」「私はダメだ」と思ってしまうと、自分の心が自分を追い詰めてしまう。
結果として、魂の道からどんどん逸れてしまうのです。
でも、「これは気づきのチャンスだ」と捉えることで、自分の生き方や方向性を見直すきっかけになる。
それが本当の意味での“奇跡”の始まりなのだと、並木さんは言います。
現実に、多くの人が病気を通して生き方を変え、魂の道へと戻っていく。
それは決して特別なことではありません。
「逃げ」ではなく「一時退避」という選択もある
今、人生がうまくいかなくなった、急に壁にぶつかった、そう感じる人は少なくないでしょう。
でもそれは、実は次のステージへと進むための“促し”であり、魂からの「ステップアップしなさい」というメッセージなのです。
そのタイミングで、「頑張り続ける」ことが正解とは限りません。
限界まで耐えるのではなく、「一時退避する」という選択をしてもいいのです。
一度立ち止まり、自分を見つめ直す。
そして、体制を立て直してから再び進み出す。
その方が、むしろスムーズにステージを上がることができるでしょう。
そしてその一時退避の中で、「これ、本当に自分のやりたいことだったのかな?」と気づくこともあります。
「違う道だった」とわかったなら、軽やかに方向転換すればいいだけのこと。
人生において“間違えた道”なんて存在しません。
どんな経験も、気づきへと至るための過程です。
だから、いま大変な状況にいる人も、どうか思い出してほしいのです。
「頑張る」ことが美徳とされていた時代は終わったということを。
これからは、いかに自分らしく、自然体で、喜びに満ちた道を選んでいくか。
そのために「風の時代」があるのだと、並木さんは優しく教えてくれています。